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中野 純一
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故では、炉心へ海水の注入が行われた。燃料デブリおよび核分裂生成物により、原子炉格納容器(PCV)内は高い放射線量となっている。圧力容器およびPCVの腐食が水の放射線分解生成物によって加速することが懸念されている。1FのPCVにおいて、注入された海水量、温度履歴、放射線量、および廃止措置に向けたロードマップを示すとともに、これまで原子力機構で実施した低合金鋼および炭素鋼の
線照射下腐食試験を紹介する。1FのPCV内で実測されている程度の放射線レベルでは、鋼材の均一腐食速度が大きく加速される可能性が低かった。また、腐食抑制策として、気相をN
雰囲気に置換することが有効であった。
根本 義之
no journal, ,
福島第一原子力発電所の炉内状況の推定等に寄与するため、原子力機構では、炉心溶融物の熱流動解析と構造解析を連成させ、圧力容器下部ヘッドの破損挙動を評価する研究を行っている。事故時の高温条件での構造解析を行うためには、材料の高温でのデータが必要となるが、既存のデータは限られているため、新たなデータ取得が必要である。また、構造解析では過去の単軸試験による材料物性データを用いるが、特に圧力容器下部ヘッドの複雑な形状の部位では、多軸応力条件下での変形挙動を解析することになるため、多軸応力条件下の材料変形を評価する解析モデルの検証が必要となる。講演では、原子力機構におけるこれらの研究の現状と、圧力容器下部ヘッドの破損挙動解析の現時点までの結果について概要を紹介する。
阿部 陽介
no journal, ,
金属材料の照射下ミクロ組織変化に対する反応速度論モデルによる研究の発展に関するレビューを行った。特に、カスケード損傷がミクロ組織変化に及ぼす影響について詳述するとともに、反応速度論モデルを用いた解析手法によって現象の背後にあるメカニズムがどのように理解され、実験データの解釈や予測に生かされてきたかという点を中心に議論を行った。さらに、近年明らかにされてきた不純物原子の影響のモデル化と実験データとの比較に関する研究成果の報告を行った。
野澤 貴史
no journal, ,
デジタル画像相関法は、材料表面の局所的な変形情報を試験中にモニタリング可能な計測技術であり、特に、近年のコンピュータ技術の進歩により大きく発展してきた。本講演は本手法の原理と特徴について概説すると同時に、最近の適用事例として、低放射化フェライト鋼溶接継手試験片の疲労損傷に伴う局所変形挙動評価とSiC/SiC複合材料の引張強度異方性の評価について報告する。